海外の旅行会社の歴史
海外の旅行の歴史
旅行は今では世界中で定番となっていて趣味としている人も多いです。
移動の自由はほとんどの国で認められており仕事だけでなくプライベートでもたくさんの人が楽しんでいます。
ただ今となっては当たり前の旅行ですが移動の自由が国で認められるようになったのは近代になってからのことです。
それまでは原則的に自由に国内も移動することは認められていませんでした。
今はインターネットがあることで世界中の情報が一度に集められます。
しかし昔はインターネットどころかテレビも雑誌もなかったので遠い地域の情報は全く入手することができませんでした。
そのため情報が無いことから国外に出ることへの恐怖心も強かったのです。
旅行のきっかけとなったもの
海外の情報が手に入らず怖いという気持ちがあったにも関わらず旅行をしようと思えたのは信仰心です。
宗教には聖地と呼ばれる場所があります。
信仰心の強い人たちはいつか聖地を巡礼したいという気持ちがあったのです。
聖地を訪れたいという気持ちがたくさんの人たちに移動の自由を求める気持ちを芽生えさせました。
権力者も宗教を盾にして政権を握っていた背景もあるので聖地を巡礼したいという庶民の気持ちを抑えることができなかったのです。
こうした動きによって4世紀ごろには聖地巡礼のための旅が行われるようになります。
人々は一生の中で一度は旅をしたいと思うようになり実現する人たちが登場するようになったのです。
当時から明確な旅行会社の存在は記録として残っていませんが宗教関係者のように知識のある人たちが旅のアテンドをしたりサポートをしたりしたと考えられています。
旅行会社の始まり
旅行会社として最初に確認されているのは1841年にイギリスのトーマス・クックという人の活動です。
トーマス・クックは列車の切符を購入する際に一括購入することで割安で購入し団体旅行の手配をしたと言われています。
この活動が1871年に正式な旅行会社の設立となり現在でも活動する有名な旅行会社グループの起源となったのです。
このトーマス・クックの旅行会社の設立も宗教が背景にあります。
ヨーロッパでは19世紀の終わりから20世紀にかけて宗教的な観点からお酒の消費を減らして無くしてしまおうという禁酒運動という活動がありました。
この活動にトーマス・クックも積極的に参加をしており禁酒運動の集会に参加をさせるための手配をしたのが旅行業務の始まりなのです。
日本でも旅行の起源は熊野三山参りやお伊勢参りといった聖地を訪れることが始まりと言われています。
私たちにとって今は旅行と宗教は直接的に関係ないことも多いものになっていますが世界の歴史の中では旅行と宗教は切り離せないものなのです。