100台のメトロノームで奏でる曲がある | トリビアバンク
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100台のメトロノームで奏でる曲がある

100台のメトロノームで奏でる曲がある

ポエム・サンフォニック(100台のメトロノームのための)について

楽器を勉強している方などは、自宅に自分用のメトロノームを用意している方も多いのではないでしょうか。
メトロノームは、同じ速度でリズムを刻むことができる道具で、これにスピードを合わせて練習します。
また、振り子になっているタイプをイメージされる方も多いかもしれませんが、現在はほかにもいろいろなタイプがあり、自分に合ったものを見つけやすくなっています。

そんなメトロノームですが、実は、この道具だけを使った曲が存在しています。
それが、「ポエム・サンフォニック(100台のメトロノームのための)」です。

この曲の特徴は、本当にメトロノームだけで進められていることです。
100台という数多くの振り子タイプのメトロノームが、それぞれのリズムを刻んでいます。
もちろん、スピードもそれぞれ異なっています。
カチカチとせわしなく音を立ててながらメトロノームは動き続けます。

しかしながら、メトロノームを使ったことがある方はご存知だと思いますが、いずれ止まります。
一台、二台、三台と次々に止まっていきます。
100台のメトロノームが、それぞれのスピードで動き、それぞれの終わり方で終わっていく。
そこに、何かを感じたり受け取ったりする方もいるようです。

曲の終わりとは

ポエム・サンフォニック(100台のメトロノームのための)は、このように独特の始まり方をするのですが、最後も独特です。
100台あったメトロノームがどんどん止まっていくのですが、最後に残ったメトロノームが止まったところで終わりとなります。
あれほどカチカチとたくさんの音を出していたメトロノームが、すべて止まった時、きっと今まで感じたことがなかった何かをもたらすのでしょう。

恐らくそれは、実際に生で聴いた人しか感じられないモノです。
もしチャンスがあったら、一度自分の耳で確かめてみてはいかがでしょうか。

作曲者について

ポエム・サンフォニック(100台のメトロノームのための)は、リゲティ・ジェルジュ・シャーンドルによってつくられたものです。
1923年に生まれ、2006年にウイーンで亡くなりました。
「13人の器楽奏者のための室内協奏曲」や、「フルートとオーボエのための協奏曲」、「ルクス・エテルナ」など、数多くの作品を生み出しました。

メトロノームについて

現在、さまざまなタイプがあるメトロノームですが、音楽以外にも使用されています。
さまざまなトレーニングにも使用されており、決して音楽に限ったものではありません。

メトロノームは、その機能性からいろいろなものを想像させます。
この作品を聴いた方にも、大切な何かを感じさせてくれるのでしょう。