マジックで流れるあの曲は
マジックで流れる「オリーブの首飾り」とは?
マジックショーは、マジシャンの巧みな技術とあっと驚かされることが連続のアイディアで、瞬く間に時間が過ぎていきます。
その内容そのものだけでなく、ショー特有の雰囲気も多くの人を魅了するものとなっています。
その雰囲気作りに役立っているのが音楽で、マジックに付き物の音楽と言えば、やはり「オリーブの首飾り」でしょう。
この「オリーブの首飾り」という曲は、クロード・モルガンという作曲者が作ったものでアメリカではよく聞かれる曲です。
原曲となっているものがあって、フランスのバンドであるビンボージェットというグループが作った「嘆きのビンボー」という曲がベースとなっています。
日本ではこのどちらの曲もあまり知られていませんが、ポール・モーリアがオーケストラ版にしたところ、非常に大きな反響を呼びました。
そのため、「オリーブの首飾り」と聞いても、歌詞がある歌であるということではなく、メロディーのみの曲だと思っている人も多くいます。
マジックではどうしてこの曲が流れるのか?
この「オリーブの首飾り」はとてもポピュラーで、この曲を聞くとマジックの時のメロディーだと感じる人が多いほどです。
この曲が使われるようになったのは、やはりマジシャンである松旭斎すみえさんが始めたとされています。
ご自身のショーでかけたところ好評で、その後も定番となっていきます。
他のマジシャンも真似するようになり、多くのショーでかけられるようになります。
そうしているうちにマジックには「オリーブの首飾り」の曲という刷り込みがなされ、二つがセットというイメージになっていったのです。
実は、マジックショーでこの曲が使われるのは日本くらいで、外国ではあまり聞かれません。
外国ではそれぞれのマジシャンが選曲していますし、一つの曲にこだわらずショーの内容などによって変えていくことが多いです。
「オリーブの首飾り」は、流れるような調子で曲が進んでいきますが、最後の方でメロディーもボリュームも盛り上がりを見せていきます。
また、どこか神秘的で不思議な雰囲気を与えるメロディーラインなので、これからどんなことが起こるのだろう?という気持ちを作るのにぴったりなのです。
分かりやすく心に残る良いメロディーでありながらも、あまり主張し過ぎずショーの内容への注目度を下げないというのもポイントです。
このように、最初は一人のマジシャンが流した曲が一般的になり、多くの他のマジシャンも採用することになったという流れを組んでいます。
「オリーブの首飾り」以外にも、いわゆるイージーリスニングと呼ばれるジャンルの曲が選ばれることが多いです。
雰囲気作りをしてくれますが、主張し過ぎず流れを進めてくれるのに、こうした曲調がぴったりと合うからです。