世界最古の合奏音楽 | トリビアバンク
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世界最古の合奏音楽

世界最古の合奏音楽

日本の雅楽は世界最古の合奏音楽

人類にとって音楽というのはとても大切なものとして、昔から世界中で親しまれてきました。
音楽と思われるものや楽器が古代の記録や実際の遺物として発見されることからも、創造力をフルに使って人々が音楽を作り演奏してきたことが分かります。
もちろん、最初はとても原始的なものだったに違いありません。
その後、時代を追っていくにしたがって、様々な楽器を使い複数の人たちによる曲が作られたり演奏されたりしていったはずです。

では、初めに体系的な形で一つの合奏音楽が作られたのはどこでなのでしょうか?
合奏と聞くと、一般的にはクラシック音楽のオーケストラなどを思い浮かべるものです。
そこから、合奏音楽のルーツはヨーロッパにあるのではないかと考えるかもしれません。

確かに、ヨーロッパにおける音楽の歴史は非常に古く、高度で素晴らしい音楽が時代を通じて脈々と受け継がれ発展してきました。
しかし、世界最古のオーケストラと呼ばれているのは、日本の雅楽なのです。

雅楽は奈良時代ころに大陸から伝わってきた形をルーツとしています。
その楽器や構成、音楽としての作りは時代が変わっても大きな変化はなく、そのまま1,000年以上継承されてきたのです。
単に起源が古いというだけでなく、その形態や音色までもが古代と変わらないという意味で雅楽は最古の合奏音楽なのです。
こうした伝統的な日本の音楽が、世界の中でも特筆すべきものであるというのは誇らしいものでもあります。

雅楽の歴史とは?

日本の奈良時代というのは、中国との交流が盛んになってきた時でもあり、様々な文化が入ってきました。
その中に今の雅楽が含まれますが、日本にはすでに独自の音楽が存在していたとされています。
大和歌とか神楽歌とも呼ばれるもので、歌に合わせて舞を踊るスタイルだったと考えられています。
そのスタイルとは全く異なる、異なる楽器とメロディーによって一つの曲を作る雅楽は、日本人に大きな衝撃を与えたに違いありません。

そして、その音楽を積極的に自分たちの文化の中に取り入れ、好みに合わせて変化を加えて今にも伝わる雅楽として完成させました。
701年には大宝律令という法律が制定されて、その記録が今でも残っています。
記録の中には、宮廷の中で雅楽寮と呼ばれる音楽を専門とする組織が作られていたことが明らかになっています。
こうして宮廷の庇護を受けて、雅楽は発展し守られていったのです。

こうした影響も強くあって、1,000年を超える時を経ても、大きな変化を受けることなく古き音楽を現代にまで伝えるものとなっているのです。
これはまさに日本の宝です。
実際、雅楽を扱う楽師と呼ばれる人たちは、全員国宝としての総合認定を受けています。